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高速高感度sCMOSカメラ

Andorの科学研究用CMOS(sCMOS)カメラシリーズは、信頼性のある定量科学測定を可能にする優れた性能と機能を有しています。sCMOSマルチメガピクセルカメラは、読出しノイズ、ダイナミックレンジ、フレームレートを損なうことなく、広視野そして高分解能を実現しました。

  • NEW CB2 シリーズ - 0.5メガピクセルから24メガピクセルまでの幅広い解像度に対応し、高速かつ高精細、低ノイズのイメージングを実現。
  • Sona Extreme - Andor史上最高感度の背面照射型sCMOSカメラ
  • Sona-11 - 最大32mmの視野、95%の量子効率(QE)を実現する最広視野モデル
  • ZL41 Cell sCMOS - 最大82% QE & 100 fps、 4.2/5.5 メガピクセル
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生命科学向け用途のsCMOS

発生生物学

イメージング技術は、生物のライフスパン全体を追跡し、発生中の細胞・組織・器官の運命を追ううえで重要な役割を果たしてきました。
ゼブラフィッシュやC. elegans(線虫)など、確立されたモデル生物を用いた胚全体や全身のイメージングにより、神経回路における神経インパルスの伝播や、心臓モデルにおける心室ペースメーカーなど、さまざまな機能ネットワークの相互関係を理解する手がかりが得られています。

この分野の多くの実験では、複雑な光学システムにシームレスに統合できる高性能なsCMOSカメラが求められます。

AndorのsCMOSカメラは、ライトシート顕微鏡法を用いた発生試料の研究に不可欠な高速フレームレートと広視野に対応しており、胚内シグナル伝達におけるイオンフラックスの蛍光測定にも優れた性能を発揮します。
低倍率かつ高解像度が求められるアプリケーションには、新しいCB2シリーズが最適なイメージングツールです。

細胞膜

細胞膜に関連する現象の解析は、細胞接着、細胞間コミュニケーション、シグナル伝達、および細胞分化運命に関わる多くの生体モデルにとって非常に重要です。

細胞膜はさまざまな方法で撮影でき、親油性色素や膜電位感受性色素を使用して細胞膜を直接標識化する場合もあります。細胞内のこの活動的で非常に繊細な部分のイメージングは非常に難しく、細胞膜の多種多様な機能性をその過程で細胞膜を傷つけることなく解明するためには非常に高度なイメージングソリューションが必要です。

細胞膜の高速リモデリングの撮影は、2.0~4.2メガピクセルの分解能と最大95%のピークQEを誇り、TIRF顕微鏡に固有の微弱光条件に最適な高感度Andor sCMOSカメラが役に立ちます。

細胞内移動

分子が常時移動できる仕組みがなければ、精緻に調整された細胞の機構はすぐにも止まってしまうでしょう。したがって、エンドソームサイクリング、ゴルジ小胞経路、軸索輸送、ホルモン放出、またはシナプス小胞プールの補充の研究では、高速かつ高感度のイメージングがとても重要です。

Andor sCMOSカメラは、細胞内移動のイメージングを伴う実験で最適な検出器として長年評価されてきました。これらのカメラは、広視野、分解能、および撮影速度などの機能上の特徴によって、細胞の輸送およびコミュニケーションネットワークにおいて発生する、複雑な事象や依存関係の追跡に最適です。

オルガノイド

3次元(3D)オルガノイドは、患者のiPS細胞から抽出できます。これにより、様々な仮説を検証するために使うモデルシステムを天然の器官よりはるかに単純な環境で作製できます。

たとえば、癌発生を引き起こすことが知られている特定の重要な変異を遺伝子編集によって組み込み、発癌経路における全体的な影響についてテストすることができます。オルガノイド内のこのような遺伝子編集のイメージングによって、癌が発生する際の遺伝子の変異数について手掛かりを得ることができるでしょう。

理想的には、Andor sCMOSカメラとスピンディスク共焦点技術を使用することで、3次元+時間の次元でオルガノイドサンプルの優れた画質を実現できます。

遺伝子編集

近年、Crispr-CAS9システムに関する研究が徐々に増えています。DNA編集およびこのシステムの恩恵を受け多数のアプリケーション向けに、この新しい多機能ツールは高い精度で使用されています。使用するサンプルと標識の種類によっては、この種のイメージングでは、超微弱光シグナルに対して圧倒的な感度を持つiXon EMCCDカメラが必要な場合があります。

ただし、より明るく標識化されたCrispr-Cas9構成体は、低ノイズ高QEのAndor sCMOSカメラの登場により、標識化されたDNA/RNAまたは鎖切断や既存の遺伝子情報の組み換えに関与する関連タンパク質が発する光を高速高感度に検出するための最適なツールになります。

神経生理学

神経相関イメージングは、線虫やショウジョウバエなどのモデル生物の研究から確立されました。これらの生物での実験および全細胞の標識化と個体全体のイメージングを組み合わせることで、特定の分子回路をその生物全体の常同行動に関連付ける貴重な知見が得られています。

光遺伝学、光刺激、および従来の蛍光標識の各手法を組み合わせることにより、以前は見えなかった細胞や組織を把握できるようになりました。高速高感度のsCMOSカメラは、素早く動く生物のニューロン発火の大群の画像を提供し、行動の背後にある分子回路の解読に役立ちます。

お客様のニーズにすべてお応えするソリューション

Andorは、幅広い性能特性をカバーするsCMOSカメラのフルラインアップを提供しています。
ライフサイエンスでも物理科学でも、広視野、高感度、高速撮影、高解像度、あるいはコンパクトで軽量なOEM設計が求められるアプリケーションにおいて、最適なソリューションをご提案できますので、安心してお任せください。

Sona - Back-Illuminated sCMOS

Sona Extreme

  • 新しいSona extreme - 最も高感度で最速のsCMOS
  • 最大95%のQE、<1.0eのリードノイズ
  • 深部安定した冷却のための独自の真空技術
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Sona - Back-Illuminated sCMOS

Sona-11 Series

  • 11 μmピクセルと95%のQEにより、最適な光子収集を実現
  • 最広視野 - 最大32mm
  • 深部安定した冷却のための独自の真空技術
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ZL41 Cell sCMOS

ZL41 Cell sCMOS

  • ライフサイエンスアプリケーション専用の新しいZL41セルシリーズ
  • 最大82%のQEと100フレーム/秒
  • 卓越したイメージングの柔軟性、価値、互換性
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CB2 24B

  • 24.5 MP裏面照射型センサー – 2.74 μmピクセル、2x2オンチップビニング
  • 高速グローバルシャッター設計
  • 超低暗電流により、長時間露光での動作が可能
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sCMOSカメラモデル比較

sCMOS視野の究極化

Sona-11(32mm)裏面照射型カメラは、独自の技術アプローチにより、2048×2048の全画素を有効に活用でき、32mmのセンサー対角サイズという優れた性能を提供します。

Sona sCMOS with 2048 x 2048 full array
Competitor back-illuminated sCMOS with restricted 1608 x 1608 array

顕微鏡視野の利点:2048 x 2048アレイを搭載したSona-11(32mm)は、32mmという市場最大のセンサーを備えています。

sCMOS感度の究極化

最新の裏面照射型sCMOSセンサー(最大95%の量子効率)により、非常に微弱な信号も確実に捉えることができます。これにより、露光時間や照明の強度を抑えることができ、光毒性を軽減しながら、長時間の観察が可能になります。細胞の生理機能を損なうことなく、より自然な状態での観察が実現します。

Signal to Noise

微弱光条件(センサ面積100 µm2当たり10入射光子) の下でのS/Nの比較:  - 同一の微弱光条件において、背面照射型でピクセルサイズを大型化したSona 4.2Bにおいて、光子捕捉感度とS/Nの最大化が達成されたことが分かります。

sCMOSのダイナミックレンジ拡大ソリューション

AndorのsCMOSカメラは、16ビットに対応した拡張ダイナミックレンジ機能を備えています。革新的な「デュアルアンプ」センサー構造により、最大のピクセル受光容量と最小のノイズを同時に活用することが可能です。その結果、非常に弱い信号と明るい領域の両方を、1回の撮影で正確に定量化できます。

モデル ピクセルウェル容量 (e-) ダイナミックレンジ
Sona-11 (32 mm) and Sona-11 (22 mm) 85,000 53,000:1
Sona-6 42,000 26,250:1
ZL41 Cell 4.2 30,000 33,000:1
ZL41 Cell 5.5 30,000 33,000:1
CB2 24B 9,500 7,308:1

以上に加えてこのクラス最高の定量精度を達成するため、Andorは搭載ソフトウェアの強化にも取り組み、市場をリードする99.8%を超えるリニアリティを実現しました。

高速イメージングのためのsCMOSソリューション

sCMOS技術は、高速かつ並列なピクセル読み出しを採用しており、高解像度と高速フレームレートを両立しながら、非常に低ノイズを維持します。

ZL41 CellやSonaシリーズは、USB 3接続によって多くのアプリケーションに対応した高速イメージングを実現します。さらに高いスピードが必要な場合は、以下のモデルがおすすめです:

  • ZL41 Cell Camera:インターフェースにより最大100 fpsの撮影が可能
  • Sona-6 Extreme:CoaXPress接続で最大135 fpsに対応
  • Push even higher speeds with the NEW CB2 Seriesオンチップ2×2ビニングと8ビットモードを組み合わせることで、最大386 fpsの超高速撮影を実現
  • ROI(関心領域)機能を活用することで、さらに高速化が可能です

導入事例としての学術論文