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Balorは、画期的なAndorの天文学用超大面積sCMOSカメラプラットフォームで、ミリ秒から数十秒の時間スケールで測光と天体の変動を測定する広範囲天空観測に最適なソリューションです。高エネルギー物理学用Balorに関心をお持ちの方は、こちらにあるBalor-Xのスペックシートをご参照ください。
16.9メガピクセル70 mmセンサー – 広範囲天空観測
フルフレーム54 fps – 高速太陽力学や動きの速い物体
低読み出しノイズ – 弱い信号や小さい物体の検出
拡張ダイナミックレンジ – 物体のさまざまな明るさとサイズに対応
最小のダウンタイム - 真空の長寿命と品質。結露が発生しません。
Balorは、画期的なAndorの天文学用超大面積sCMOSカメラプラットフォームです。Balorは、拡張FoV 16.9メガピクセル70 mm対角センサーを高速低ノイズ読み出し性能と組み合わせたBalor 17-12モデルとして発売されます。ミリ秒から数十秒の時間スケールで測光と天体の変動を測定するために最適です。
Balorは、軌道上デブリの追跡、太陽天文学、太陽系物体の検出、太陽系外惑星の発見、大気研究、高速時間分解能天体物理学などの「動的な天文学」アプリケーション向けに設計され販売されている中で最大のsCMOSカメラです。Balorは、スペックル/ラッキーイメージングの「大気凍結」手法に特に役立ち、補償光学の利用で手軽に実現可能になったよりもはるかに広い視野で地上の天文学の分解能向上を実現します。
Balorは読み出しノイズ2.9 e-と非常に高速な18.5ミリ秒読み出しを兼ね備え、フルフレーム最大54 fpsの読み出しを実現するので、太陽または大気動力学研究に最適です。CCDの2500倍高速読み出し性能を持つBalorは、測定サイクル時間を抜本的に短縮し、代わりに希少なフォトンのキャプチャにかける時間を増やすことを可能にして、太陽系外惑星の発見でも威力を発揮します。
Balorは定量的な光度測定分野でも優れた性能を発揮します。12 µmの大型画素と他社には類を見ない> 99.7%の線形性は、電子井戸深度80,000e-を提供し、オンチップマルチアンプデザインにより、ノイズフロアから飽和限界までの測光レンジ全体を1つの画像でキャプチャできます。このような性能は、高ダイナミックレンジの対象分野での光度曲線測定の測光精度に最適です。
Balorは、ローリングシャッターモードとグローバル(スナップショット)シャッター露光モードの両方を提供します。グローバル(スナップショット)シャッター露光モードは、アレイのすべての画素が外部からのタイムスタンプを基準として同じ相対的露光時差相関を持つアプリケーションで便利です。
49.5 x 49.2 mmセンサー - 16.9メガピクセル12 µm画素ピッチセンサーの非常に広い視野。
18.5ミリ秒読み出し - CCDより2500倍高速な4k x 4kセンサー読み出し。高速化によりできた時間で希少なフォトンをキャプチャできます。
最大54 fps - ノイズまたはFOVで妥協しない、高時間分解能観察のさまざまな課題に対する独自のソリューション。
拡張ダイナミックレンジと> 99.7%の線形性 - 1つの画像内の広い等級で優れた定量的精度を発揮。
読み出しノイズ最大2.9 e- - 最大フレームレートにおいても低ノイズで、短時間露光、微弱光観察に適しています。
80,000 e-のウェル深度 - 明るい信号を定量化する高い量子深度。
Ultravac™ - 真空を維持し、他にはない冷却とQE性能の長期的な維持に重要です。
CoaXPress標準装備 - 4レーンCXP-6インタフェースは最大30 mの距離で最高のフレームレートを可能にします。
巻き上げおよびグローバルシャッター対応 - すべてのアプリケーションで露光と読み出しに関して最大の柔軟性を実現します。グローバルシャッターは、動きの速いまたは変化する事象のスナップショットキャプチャに使用します。
メカニカルシャッター不要 - Balorはメカニカルシャッターを必要とせず、シャッターの交換に伴うダウンタイムが発生しません。
IRIG-B GPSタイムスタンプ - 複数の計器と複数の観測地点での同期のための10 nsの分解能を持つ画像GPSタイムスタンプ。
完全閉鎖型ケース(オプション) - 水冷専用バージョンの熱ブルーミングを抑え、周辺の光学系や周囲の環境温度への影響を最小限に抑えます。
主な仕様 | |
アクティブ画素 | 4128 x 4104 |
センサーサイズ | 49.5 mm x 49.2 mm (対角70 mm) |
画素サイズ | 12 x 12 µm |
読み出しノイズ | 2.9 e- (中央値) |
最大フレームレート | 54 fps (フルフレーム) |
最大量子効率 | 61% |
-30°Cでの暗電流 | 0.03 e-/画素/秒 |
読み出しモード | ローリングシャッタ |
ピクセルウェル深度 | 80,000 e- |
線形性 | > 99.7% |
光応答不均一性(PRNU) | < 0.5% (半分のウェル深度で) |
データレンジ | 16ビット |
インタフェース | CoaXpress (4レーン CXP-6) |
高速センサー読み出し
Balor 17F-12のsCMOSセンサーは並列性の高い読み出しアーキテクチャを備えているため、高速データ読み出し速度が容易に実現されます。フルフレーム読み出しにわずか18.5ミリ秒しかかからないBalor 17F-12は、さまざまな時間スケールで変動を測定できます。露光時間を増やしてS/N比を最大化しながらも、CCDよりはるかにハイスピードのフレームサイクル時間を実現することも可能です。トランジットまたは動径速度計測では数十秒の測光露光時間が一般的です。4つの出力ポートを使用して4k x 4kフォーマットCCDで実行する場合は、露光に加えて低ノイズ読み出しに45秒が必要です。Balorは、CCDより約2500倍高速な上、低ノイズの18.5 ms読み出しを提供します。下記の露光スキームは、Balorで10秒の露光時間を使用して、どのように測定サイクル時間を大幅に短縮できるのかを示しています。Balorの露光時間を15秒に延ばして、背面照射型CCDと同じS/N比を達成した場合でも、デューティサイクルははるかに短いままです。つまり、BalorはS/N比と時間分解能の両方を向上させる機会を提供します。また、メカニカルシャッタの定期的な交換も不要です。
高速フレームレート
Balorの各モデルは、フル16.9メガピクセル(16ビット)で最大54 fps、超高帯域幅のCoaXPress(4レーンCXP-6)インタフェースによるPCへのデータストリーミングを提供します。したがって、太陽フレアのダイナミクスや大気凍結のスペックル/ラッキーイメージングなどの高速アプリケーションに最適です。
最大フレームレート (fps) | ||
ROIサイズ (WxH) | 16ビット100%デューティサイクル | 16ビット |
4128 x 4104 | 54 (34) | 44 (34) |
2048 x 2048 | 108 (68) | 88 (68) |
1920 x 1080 | 205 (126) | 167 (127) |
1024 x 1024 | 216 (132) | 176 (134) |
512 x 512 | 431 (252) | 350 (258) |
128 x 128 | 1684 (785) | 1337 (840) |
関心領域の選択により、ROIの高さだけでスケーリングを実行し、さらなる高速化を図ることもできます。つまり、同じ行数を共有することを条件に全幅ROIが縮小版ROIと同じフレームレートを提供します。これは、高速フレームレートで細長いサンプルをイメージングする場合に便利です。
拡張ダイナミックレンジと優れた線形性
Balor sCMOSセンサーの革新的なマルチアンプアーキテクチャは、高ゲインアンプと低ゲインアンプのどちらかを選択するなく、高ゲイン(低ノイズ)アンプと低ゲイン(高容量)アンプの両方で同時に信号をサンプリングすることが可能です。こうして、最大ウェル深度とともにセンサーの最小ノイズを利用して、広いダイナミックレンジを実現できます。
さらに、カメラに搭載されたインテリジェンスにより線形性が大幅に向上し、(> 99.7%の線形性)、ダイナミックレンジ全体で圧倒的な定量的測定精度を実現します。
メンテナンスがあまり必要ない天文学カメラ
プロ用の天文学カメラは多くの場合、遠隔地にある無人の観測場所に設置されることがあり、メンテナンスに出向かなくても長期間動作する必要があります。
Balorの恒久的な真空 – UltraVac™ は真空封じ切りヘッドをを採用し、外部環境からのガスの侵入を完全に遮断します。
シャッタの故障がない – 太陽系外惑星の発見などの、メカニカルシャッターを頻繁に循環する必要があるアプリケーションは、シャッターを定期的に交換する必要があり、そのためのダウンタイムが生じます。Balorはローリングおよびグローバルシャッターオプションをセンサーに搭載しているため、メカニカルシャッターが不要です。メカニカルシャッターがないため、シャッターの故障もありません。また、メカニカルシャッターがないことで、アイリス・シャッタに伴う「露光勾配」の影響も回避できるため、短時間露光での正確な測光に最適です。
ローリングシャッターとグローバルシャッター
市場に出回っている「科学用CMOS」カメラの中には、ローリングと真の意味でのグローバル露光を選択できないものもあります。ほとんどのカメラではいずれか一方のみが提供されます。Balor 17F-12は両方の露光モードを搭載しています。
ローリングシャッター - ローリングシャッターでは、基本的に、読み出された「波」がセンサーを通り抜けるため、アレイのラインがそれぞれ異なるタイミングで露光されます。Balorは一度に4行のブロックを読み出します。ローリングシャッターでは、4行の各ブロック行は、隣接する4行ブロックからわずかな時間でオフセットした露光を開始および終了します。このモードでは、読み出しノイズが最小、フレームレートが最速となります。
ローリングシャッターは画像の運動系列をキャプチャするときには連続的な「100%デューティサイクル」モードで動作でき、各行を読み出した後は、即座に次の露光に入ります。100%デューティサイクルは、露光間で時間を浪費せず、より重要なことに、フォトンを無駄にしません。センサーは、100%デューティサイクルモードにおいて、公表されている最大フレームレートで連続的に読み出しを行います。
ただし、ローリングシャッターには、アプリケーションに関する制限事項がいくつかあります。たとえば、(a) 領域内の比較的大きく動きの速い物体をイメージングする場合、動作速度が時間的にアンダーサンプリングされているすべてのイメージング条件に影響を与える可能性があるモーションブラーのリスクに加え、ローリングシャッターの空間歪みの可能性もあります。ただし、実際には高時間分解天体物理学分野でも使用事例の圧倒的大多数を占める、フレームレートで時間的にオーバーサンプリングされている速度で比較的小さい物体が動く場合には歪みはあまり生じません。(b) 他にローリングシャッターのマイナス面となりうるのは、露光される画像の各領域が他の領域と時間内に正確に相互に関連付けられないという点です。領域間の関連付けは、アプリケーションによっては非常に重要な場合があります。
グローバルシャッター - 「スナップショット」露光モードとも考えることができるグローバルシャッタモードでは、アレイのすべての画素が同時に露光されるため、動きの速いまたは変化の速い事象の「静止画」キャプチャが可能です。露光開始前、アレイ内のすべての画素は「キープクリーン状態」で保持され、この間に各画素のぼけ防止構造に電荷が排出されます。露光が開始されると、各画素が同時に電荷を収集し始め、各画素は露光時間中電荷を収集できます。露光終了時には、各画素が同時に電荷を読み出しノードに転送します。
グローバルシャッターが連続的な「100%デューティサイクル」モードで動作するように設定されている場合は、各画素の読み出しノードから前の露光を読み出し中に露光を継続することができます。この100%デューティサイクルは、最適な時間分解能とフォトン収集効率につながります。このサイクル全体を通して、ローリングシャッターで見られる「過渡的」な読み出しの時間はありません。
重要なことに、グローバルシャッターはセンサーエリアの異なる領域間での正確な時間相関を提供します。
ただし、グローバルシャッターモードのメカニズムでは、各画素からの電荷の実際の読み出しに加え、「裏で」参照読み出しを実行する必要があります。この追加のデジタル読み出しは、グローバルシャッター画像からリセットノイズを除去するために必要です。グローバルシャッターモードでは、この追加の参照読み出しが理由で、ローリングシャッタモードで実現できる最大非同期フレームレートが半分になるというトレードオフがあります。また、この追加読み取りにより、ローリングシャッターに比べて読み取りノイズが増加します。
柔軟なピクセルビニングとROI
Balorの特長はカメラに搭載された柔軟なピクセルビニングと1ピクセルの粒度までユーザが定義できる関心領域 (ROI) です。ビニングのより高い柔軟性は、画素分解能の低下と引き換えにピクセルあたりのフォトン収集面積拡大を選ぶ場合は、フォトンが不足しているいくつかのアプリケーションで役立つことがあります。ROIは、ハイスピード測光または測位ダイナミクスでのスペックル/ラッキーイメージングの実行などのための、取得フレームレートの高速化に役立ちます。
多くの専門的な天文台では、高地や低い動作周囲温度で動作できるカメラが求められます。
iRig-B
複数の計器と複数の観測地点での時間同期のためのIRIG-B GPSタイムスタンプです。10ナノ秒の精度により、高フレームレート動作でもタイムスタンプの時間分解能は低下しません。
ハードウェアタイムスタンプ
AndorのBalor sCMOSでは、25ナノ秒の精度で露光終了時にFPGAがハードウェアタイムスタンプを生成し、画像キャプチャに関する正確な運動情報を容易に取得できます。
GPU Express
Andor GPU Expressライブラリは、カメラからCUDA対応NVidia GPU (Graphical Processing Unit) カードへのデータ転送を簡素化および最適化し、取得工程の一環としてGPU 処理の高速化を促進するために開発されました。GPU ExpressはAndor sCMOSカメラ向けにSDK3に簡単に統合され、高帯域幅データフローの課題を管理するためにユーザーフレンドリーかつ強力なソリューションを提供し、スペックル/ラッキーイメージングなどのデータ集約型のアプリケーションに最適です。
シンプルで最適化されたGPUデータ管理よる利便性の強化
全域にわたり最適なデータを保証
優れた文書と例に簡単にアクセス可能